我々が39年に昭和寮に入った時は、丁度5棟が出来たばかりで同期(大卒と高卒)だけが5棟の住人であった。従って我々は先輩達からの干渉もなく、自由に寮生活を楽しむ事が出来た。
毎晩のように午前0時から2時位迄玄関から大きな声で「帰ったぞー」と叫んだり、歌を歌いながら1階から4階まで行進したり、ドアを蹴って回ったり、中にはビールを思いっきり振って泡を布団に掛けたりのストームがかかり、かける方は楽しいがかけられる方は大変であった。
そこでいろいろ対策を考え定時(当時は16時)に寮に帰ったらすぐに食事をし、風呂に入って寝て午前0〜2時にストームがかかったら部屋に呼び込んで朝までつきあわせ、寝せない作戦とかいろいろあったが面白かったのがバー “ホーデン”であった。
これは211号室で開かれ発案者は言わずと知れた会長であり店主は真面目な佐伯さんであった。(私は単なる雇い人であった)
この時会長と二人でトイレにウィスキーを持ち込み、その後
「おしっこを入れた事にしよう」と言って持って帰った。
この店にはたくさんのお客が来たがウィスキーを飲ませた後
「いまのウィスキーにはおしっこが入っていたよ」と言うと反応は色々であった。
檜原さんなどは平気な顔で飲んでいたが内心しまったと思っていたようである。
石崎、出沢などは露骨に嫌な顔をして飲むのをやめ怒っていた。
一番面白かったのはパンちゃんで聞いた途端にトイレに駆け込み思いっきり吐こうとしていた。
「本当は入っていないよ」と説明しても信用せずにそのままトイレでしばらくいたようである。
その他多くの方々に飲んで頂き不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。ここに会長に成り代わりまして謹んでお詫び申し上げます。
(本当はおしっこは入いっていなかったのが真相でした。)
