方向指示器の形式改造
1.トヨペット1500 57年型の方向指示器は、前後のドアの間の支柱の中から腕木が「パカッ」と飛び出す旧式の「腕木式方向指示器」であった。
その当時、既に「いすず ベレット」などの高速型のエンジンを搭載した新型車が「ヒューン」という吸気音を響かせながら市中を走り回っていた時代で、方向指示器はランプが点滅するフラッシャタイプに移り変わっており、「腕木式方向指示器」の車はほとんど見掛けなかった。
2.あまりにも恥ずかしいので、ジャンクショップに行ってフラッシャタイプに改造できないか訪ねてみると、「フラッシャ・ユニット」というセットが売られているとのことで、早速その製品を購入して、自分で方向指示器の形式改造をやってみることにした。
3.「フラッシャ・ユニット」にはダッシュボードに取り付ける「フラッシャ本体」と車前後のスモールランプまでの配線が付いていて、思ったより簡単に取り付けが出来た。
方向指示器のレバーを押すと、「カチ カチ」とリズミカルな音がして、スモールランプが点滅する様子を見て、得も言えぬ満足感に包まれた。
4.ところが、「腕木式方向指示器」の配線が車体の鉄骨の中を通っていて、内装を剥がさなければ配線を断線できない。
仕方ないので「腕木」の外から綿テープでグルグル巻きにして、「腕木」が「パカッ」と出ないようにした。
5.その結果、方向指示器のレバーを押す度に、「腕木」が「ギギギギ」と悲鳴を上げ痙攣を起こす。その様子は、なんとも哀れであった。