由布岳・祖母岳・鶴見岳の伝説
三つの山がお互いに隣り合わせで住んでいた頃、祖母岳と由布岳の二つの山は、同時に鶴見岳を愛してしまった。
神は鶴見岳に一人の男を選ぶように命じた。
恋に破れた祖母岳は涙を流しながら、屈辱の姿を二人に見られることをつらく思い、この地を去って行った。 その離別の日、流した涙が溜まって出来たのが志高湖である。
この話は単なるロマンチックな伝説ではなくて、近代地球物理学の学説とも奇妙に一致する。 九州は二つのプレートに分かれて動いている。そして、その九州は時計回りに、年間に数センチ動いている。日蓮上人が元寇を打ち破る祈願をしたことで有名な筥崎宮の海に突き出た鳥居はその中心が太陽が沈む真西に建造された。 最近の測量の結果、少しずつずれていることが判明した。 二つのプレートは二つの構造線で分かれている。一つが別府−島原構造線、もう一つが臼杵−八代構造線である。
この地溝帯の中に無数の火山が存在している。その中でも最も大きいのが阿蘇山である。この地溝帯は年間に数センチ程度離れて行っている。単純に計算すると、約50万年後には完全な二つの島になる。 |