宮浜温泉石亭(2)

 

5時過ぎに風呂から上がってくると、ラウンジの中に利き酒が用意されてありました。 大きなボウルの中のクラッシュアイスの上に白磁の徳利が7本並べられていて、それぞれに異なる銘柄の日本酒が入っており、徳利に銘柄のラベルが貼られています。 テーブルの上の小さな利き酒用の盃を使って利き酒し、好みの日本酒を夕食時に注文できるシステムです。 一通り7種類全ての日本酒を利き酒し、食前酒として華やかでフルーティな薫りの「富久長」を、食中酒として淡麗で料理の邪魔をしない賀茂鶴の「豊醸冷酒」とどっしりと重く酸味の強い「小笹屋竹鶴」を選び、この順番に出していただくよう注文しました。

夕食は(朝食も)客が時間を選ぶことが出来ますが、終わるまでに2時間は掛かると言うことなので、6時からにしました。 食事は夕食・朝食とも部屋食が可能ですが、朝食はフロントの近くの大広間の椅子席でいただきました。

まず、泊まった日が桃の節句の日ということもあってか「桃花酒」で乾杯。シャーベット状の桃花酒が渇いた喉とほてった身体に気持ちよく、これから出てくる数々の料理への期待感を盛り立ててくれます。 そのあと、先付・石焼・前菜・吸物・造り・お凌ぎ・焚合・焼物・進肴・強肴・止椀・御飯・香物・水菓子と次から次へと料理が出てきて、胃袋の小さい私達は料理に追われる感じで、もう少し間を置いて出していただければ有り難いと感じました。 しかし、どの料理も手の込んだ薄目の味付けの上品な懐石で、遊び心たっぷりの器と一緒に十分愉しむことが出来ました。なかでも印象に残るのは、「造り」を載せて出てきた長さが1メートルもあろうかと思われるほど細長い石の皿です。どこからこのような発想が生まれるのだろうかと感心することしきり。

夕食の後、部屋にふとんを敷くと言うことで、私達は2回目の風呂へ。風呂からの帰りにラウンジを覗いてみると、今度は洋酒の瓶が5,6本置いてあって、好きな酒を自由に飲めるようになっていました。夕食前の日本酒の利き酒とビールのサービスといい、夕食後の洋酒のサービスといい、朝食後のエスプレッソのサービスといい、本当にサービス精神の徹底している宿であり、また、このことが客の気持ちをゆったりとさせる効果を生みだしているのだと思います。居心地の良い宿である所以でしょう。オープンの日に「五足のくつ」さんを訪れたとき、 このサービス精神が足りないなと感じたのは残念なことでした。今はもう改善されているとは思いますが・・・。

翌朝6時前に3回目の風呂に入りました。露天風呂に浸かって目を閉じていると、額の上に何か冷たいものが落ちてきました。おもわず上を見上げると、なんと!まだ明けやらない空から大きな牡丹雪がひらひらと舞いながら降ってきているのです。おもいもかけず、「雪見風呂」を楽しむことになりました。

朝食は8時から大広間で頂きましたが、朝食も品数が豊富で、大好物の湯豆腐の美味しかったこと。 10時に宿のマイクロバスで宮島口まで送って頂き、広島経由で長崎に無事帰り着きました。 この宮浜温泉「石亭」も風呂・料理・サービスすべてに満足のゆく素晴らしい宿でした。

チーチャンさん、「石亭」に関するいろいろな情報を有り難うございました。

こえみさん、少人数で行かれるのでしたら2階の部屋、4人以上の大人数で行かれるのでしたら離れの「大観」がお薦めです。

 

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