五足のくつ(3)

 

翌日の朝食も夕食と同じ「邪宗門」の個室で戴きます。

朝食は純和風のものですが、焼き魚・味噌汁・出汁巻き卵・豆腐・煮物の小鉢の他に、九つに仕切られた大きな角皿に明太・漬物・佃煮などが少しずつ盛られたものが付いており、単純になりがちな朝食を愉しませてくれました。

10時のチェックアウトの時間前に従業員の皆さんに見送られて宿を後にし、フェリーを利用して長崎に帰り着きましたが、ズボンのポケットの中から宿の部屋の鍵が出て来てビックリ。直ぐ木籔さんに電話して謝罪し、書留・速達で郵送するというハプニングが発生しました。

「五足のくつ」は、山崎博文オーナーが「旅の醍醐味は、誰にも邪魔されず、空想に浸ることかもしれない」という思いで情熱を込めて造り上げた温泉宿であり、宿のスタッフは必要以上に客に立ち入らない姿勢を貫いています。

 

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