しぐるるや 人のなさけに 涙ぐむ

昭和5年 大分県大分郡湯布院町にて


行乞を終えて、由布院に隣り合わせの湯平温泉に着いたのは4時を少しまわった頃。

<この温泉はほんとうに気に入った。山もよく水もよい。湯は勿論よい。宿もよい。という訳で、よく飲んでよく食べてよく寝た。ほんとうによい一夜だった。>と上機嫌である。

かくしてこの湯も宿も大好きになり、よい昼であり、よい夜であったと感激もひとしお。

戻る